a-blog cms Training Camp 2024を開催しました
a-blog cms Training Camp 2024 は、ユーザーや開発者が一堂に会し、活用事例や次のバージョンの新機能を学び、情報共有を行うためのイベントとして2024年11月15日に名古屋国際センタービルで開催されました。
昨年は会場に集まっての参加とリモート環境でもライブ配信でも参加できるハイブリットイベントとして開催しましたが、今年はリアルのみという事で参加者が集まるか心配もありましたが、北は北海道から南は九州まで、20都道府県から55人の参加者が集まりました。5.6年ぶりに会う人たちも多く、会場では「お久しぶりです」の挨拶が各所から聞こえてきていました。
今回の Training Camp は、2010年から始まり22回目の開催となり、 #合宿 のハッシュタグ で全参加レポートが書いていますので、昔から参加されている方は懐かしい写真とかチェックしてみてください。
公式テーマを活用して、効率よく開発するすすめ
結構な確率で一番最初にお願いすることが多い フォルトゥナ 坂本 邦夫さん のセッションから始まりました。坂本さんは、公式テーマ「site」を使った開発の便利さと効率の良さについて語り、アクセシビリティにもかなり力が入っていると指摘されました。確かに、足りない部分もあるものの、多くの点で完成度が高く、すぐに使えるテーマとして評価が高いようです。
また、坂本さんはウェブの配色に関する著書も多く、アクセシビリティに関する知識が豊富です。そのため、テーマ開発の参考になるお話が盛りだくさんでした。次期バージョン Ver. 3.2 に同梱予定のテーマのアップデートに向け、新しいアイデアが広がります。「site2025」を作るとしたら、どんなテーマにしたらいいでしょうか?
Webサイトのサーバー間移行作業での気づき −アップデートは主体性が大事だと思った経緯
株式会社ルーコの川﨑絢加さんが登壇し、Webサイトのサーバー間移行作業における気づきについてお話しされました。川﨑さんは、a-blog cms 歴がまだ2年の若手ながら、この1年間で100サイト以上のサーバー移設を担当。その中で20サイトのアップデートも行ってきた経験を基に、現場でのリアルな課題や苦労をシェアしてくれました。
川﨑さんは、サイト移行において思わぬトラブルに直面した体験談を交え、移行作業で「主体性を持つことの大切さ」を痛感したと語りました。単に作業をこなすのではなく、サイトごとの仕様や要件を理解し、トラブル発生時には自ら積極的に解決策を見出していく姿勢が求められるとのこと。
若手エンジニアとしての視点から、自分なりに工夫し、学び続ける姿勢が伝わってきた川﨑さんの発表は、多くの参加者に共感を呼んでいました。
「Ver3.0 こんなつまずき」集 −3系のアップデートで遭遇した「えっ!こんなこと」とその解決方法
続いて、ベテラン 株式会社データファームの勝又孝幸さんが登壇し、Ver. 3系へのアップデートで直面した「つまずきポイント」とその解決方法について語りました。アップデートには細かな注意が必要で、長年の経験が解決に役立つ場面も多いとのことです。
勝又さんは、特に古いカスタマイズに詳しい知識があれば、意外とスムーズに解決できるトラブルもあると強調されました。また、アップデート後の確認作業についても、「必ずログアウトした状態でチェックすること」が重要だと指摘。セッションでは、実際に問題に直面した事例をいくつか紹介し、どのように解決したのか具体的に説明がありました。
さらに、修正とアップデートがセットになった案件の場合には、移行前に必ず既存サイトを十分に確認し、最新のバックアップを取ることを推奨。勝又さんの実体験に基づくアドバイスは、参加されている皆さんにとって非常に参考になる内容でした。
a-blog cms on AWS - アップルップルさんのコーポレートサイトをAWSにお引越し!
アルブストリクス株式会社の平山智則さんが登壇し、a-blog cms をAWS環境で利用する際の実例として、アップルップルのコーポレートサイトの移行事例を紹介しました。AWS環境への移行に関する具体的な設定項目やチューニングのポイントが詳しく解説され、参加者からの関心も高まりました。
平山さんは、サーバーのチューニングについて「なぜその設定が必要か」という根拠も併せて説明。例えば、リクエスト数の多いページのパフォーマンス向上を目指した設定や、データベースへのアクセス負荷を軽減するための工夫が紹介され、理論に裏付けられた調整内容が印象的でした。
また、AWS のWAF(Web Application Firewall)を導入することで、外部からの攻撃に対するセキュリティが強化される点にも触れ、セキュリティ対策の重要性が強調されました。サーバーの提案からサイトリリース後の保守運用に至るまでのトータルなサポートが可能で、同様の構成を検討している参加者にとって非常に有益な情報が提供されました。
いまクライアントに提供するユニットのかたち
A-Systems株式会社の石川寿刀さんは、a-blog cmsのカスタムユニットを活用したクライアント対応について発表しました。a-blog cmsのユニット機能は柔軟にカスタマイズでき、更新担当者がスムーズに作業できるよう工夫されています。
石川さんは、クライアントの職場環境を理解し、それに合わせたユニット設計を行い、非エンジニアの担当者でも直感的に扱えるよう配慮。また、初期段階で運用ルールを定めることで、公開後もスムーズな運用が可能になります。
こうした現場目線での工夫が、クライアントにとっての使いやすさを実現していると感じさせる内容でした。
事例紹介2024 - 実際のカスタマイズ事例
ましじめ株式会社 田村 章吾さんは、実際に行ったa-blog cmsのカスタマイズ内容をもとに、具体的な事例を紹介しました。管理画面の見やすさを高め、更新担当者が扱いやすくなるようフィールドグループを開閉式にする工夫や、複数の画像をまとめてアップロードしてギャラリーを作成する機能など、効率的な更新をサポートする仕組みを取り入れています。また、カスタムフィールドにレイアウト画像を加えることで、サイト構成が視覚的に分かりやすくなるようにし、操作する側の負担を軽減する工夫も盛り込まれており、実務の現場に即した配慮が特徴的でした。
HTMLとCSSを工夫することで、少ない手間でサイト運営の効率を高められる点もa-blog cmsの魅力で、こうしたカスタマイズを通じて、クライアントのニーズに応え、日々の運用をよりスムーズにするアイデアが詰まっており、実務に役立つ参考になる内容でした。
エントリーの運用体験を改善するVer.3.2のアップデート
今回の発表では、弊社の若手デザイナー 新井 慎之介 と若手エンジニア 宇井 陸登 がアイデアを出し合いながら進めているCMSのUI改善の取り組みについてご紹介しました。ユーザーにとってより直感的で使いやすいインターフェースを実現するため、日々新しい視点や工夫を取り入れ、改善を進めています。
今回のアップデートでは、その一環としてエントリー一覧の管理画面をReactで一新し、コンテンツ編集のユニットUIを大幅に変更することが発表されました。これにより、ユーザーはエントリーやコンテンツをより効率的に管理・編集できるようになり、運用面での利便性も一層向上することが期待されます。参加者からも、この改修に対する期待の声が寄せられ、今後のバージョンリリースに対する期待感が高まっている様子でした。
a-blog cms Ver. 3.2 アップデート:機能強化と新たな可能性
最後のセッションでは、弊社のCTOである伊藤淳が、a-blog cmsの次期バージョン「Ver. 3.2.0」で追加された主要な新機能や改善点について解説しました。5時間にわたる長い勉強会の締めくくりとして、サイト開発者や運営者にとってさらに利便性が高まることを目指したアップデートの内容を紹介しました。
発表内容には、カスタムフィールドメーカーの改修、WordPress形式でのエクスポート機能の追加、WebP形式ファイルへの対応強化、アップデートの自動化機能など、多岐にわたる機能強化が含まれていました。なお、これまでのテンプレート記法も引き続き利用できるため、既存ユーザーが無理なく新機能に移行できるよう配慮されています。
最後に
最後に、今回の勉強会では、a-blog cms Ver. 3.2の新機能や改良点だけでなく、ユーザーの事例発表を通じて、実際の現場でどのように活用されているか、またどのような工夫がされているのかを学ぶ機会にもなりました。これにより、ただ機能が増えるだけでなく、具体的な課題解決や運用面での利便性がどのように高まるかを、リアルな視点から具体的に理解できたことが大きな収穫となったのではないでしょうか。
Ver. 3.2 の正式版リリースは春を予定しています。これから毎月、ベースキャンプ名古屋で進捗報告や参加者からの意見交換の場として勉強会が開催され、12月、1月、2月と続いていく予定です。
今回のイベントのミニ版が毎月開催されると思うと、ますます楽しみですね。リリースまでの期間も、皆さんとともにVer. 3.2の成長を見守りながら、開発を進めていけるように頑張ります。
今後の名古屋勉強会
前日の a-blog cms Training Camp ウォームアップ勉強会
前日には「ウォームアップ勉強会」が行われ、20人の参加者に集まっていただき、フライングで新機能を体験してもらいました。参加者たちは実際に手を動かしながら、Ver. 3.2の新機能をいち早く試す貴重な機会となり、熱心な意見交換が行われました。
翌日の a-blog cms Training Camp フォローアップ勉強会
翌日は「フォローアップ勉強会」として、前半はTwigのハンズオンを行い、参加者が実際にテンプレートエンジンの使い方を学ぶ時間となりました。後半はCMSのUIについてのディスカッションが行われ、ユーザー視点からの改善案や要望が活発に交わされています。Twigの導入やUIの改良に関する意見が飛び交い、次回リリースに向けた貴重なフィードバックが集まる場となりました。
私の過去の合宿レポート
- 日本各地から集まった a-blog cms Power User Training Camp 2010 Spring が終了しました
- 日本各地から集まった a-blog cms Training Camp 2010 Autumn が終了しました
- a-blog cms Power User Training Camp 2011 Spring 終わりました!
- 13都道府県から集まった a-blog cms Training Camp 2011 Autumn が終了しました
- 5回目の合宿 a-blog cms Power User Training Camp 2012 Spring が開催されました
- a-blog cms Power User Training Camp 2012 Autumn が終了しました
- a-blog cms Summer Camp 2013 が終了しました
- a-blog cms Training Camp 2014 Spring が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2014 Autumn が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2015 Spring が開催されました
- a-blog cms DAY & Training Camp 2015 Autumn が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2016 OKINAWA が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2016 Autumn が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2017 Spring が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2017 Autumn が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2018 Spring が開催されました
- a-blog cms Training Camp 2018 TOKYO を開催しました
- a-blog cms Training Camp 2019 Spring を開催しました
- a-blog cms Training Camp 2019 Autumn を開催しました
- a-blog cms Training Camp 2021 Autumn を開催しました
- a-blog cms Training Camp 2023 を開催しました