コンテンツの読み込みに時間がかかっています

AI向けの SEO のために LLMs.txt を用意しよう


近年、ChatGPT や Claude、Gemini などの大規模言語モデル(LLM)の発展により、ウェブ上の情報が AI によって利用される機会が増えています。その中で注目されているのが LLMs.txt という新たな標準です。


LLMs.txt は、ウェブサイト運営者が AIモデルに対してサイト内の情報を適切に伝えるために作成するテキストファイルです。一般的には 「AI向けの robots.txt」 とも言われますが、私としては 「AI向けの sitemap.xml」 に近いものだと考えています。これは、検索エンジン向けの SEO(Search Engine Optimization)と同様に、生成AI時代における新たな情報発信戦略(LLMO : LLMO Optimization)として注目されています。

本記事では、LLMs.txt の概要、CMS開発者がこれをどのように活用できるのか、そして a-blog cms の開発を行う弊社としてどうしていくのかを書いてみようと思います。

LLMs.txtとは何か?

LLMs.txt は、ウェブサイトのルートディレクトリ(/llms.txt)に設置する Markdown形式のテキストファイルです。これにより、AIモデルがサイトの重要情報を正しく理解し、生成する回答の品質を向上させることができます。

例えば、以下のような情報を LLMs.txt に記述します。

  • サイトの概要:サイトの目的や提供する情報の種類
  • 主要なページへのリンク:APIリファレンス、技術ドキュメント、チュートリアルなど
  • ナレッジベースやFAQ:よくある質問への回答を明示
  • AIに学習・参照させたい重要情報:開発ガイドラインや仕様書

LLMs.txt の狙いは、AIがサイト全体をクローリングしなくても、適切な情報に素早くアクセスできるようにすることです。これは、特に開発者向けのドキュメントサイトにおいて有用です。

CMS開発者としてLLMs.txtをどう活用すべきか

CMS(コンテンツ管理システム)を開発・提供する企業にとって、LLMs.txt は今後重要な役割を果たすと考えられます。

1. CMS の公式ドキュメントを AI に正しく認識させる

多くのエンジニアが技術的な質問をする際、検索エンジンではなく AI(ChatGPT や Claude)を利用するようになっています。CMS の公式ドキュメントを適切に構造化し、LLMs.txt に整理しておくことで、エンジニアがAIに質問した際に、正確な回答が得られやすくなります

例えば、以下のような LLMs.txt の記述が考えられます。

# a-blog cms Developer Documentation
> a-blog cmsの開発者向けドキュメントサイトです。テンプレート構築やカスタマイズに必要なリファレンスやスニペットを提供しています。

a-blog cms は、日本製のローコード開発が可能な CMS であり、Webサイトに必要な機能をデフォルトで備えています。自由なカスタマイズ性と高いセキュリティを兼ね備えており、開発工数の大幅な削減を実現します。開発者向けサイトでは、テンプレートの構築方法からモジュールの高度なカスタマイズまで、詳細で実践的な情報を提供しています。

## イントロダクション 

- [はじめに](https://developer.a-blogcms.jp/document/introduction.html) : a-blog cms をはじめる方に向けたコンテンツ
- [機能一覧](https://developer.a-blogcms.jp/document/functions.html) : a-blog cms の機能一覧
- [動作条件](https://developer.a-blogcms.jp/document/requirements.html) : サーバー要件

## リファレンス
- [ビルトインモジュール](https://developer.a-blogcms.jp/document/reference/builtinmodule/): 標準で提供されるモジュールの一覧と使用方法。
- [フィールドモジュール](https://developer.a-blogcms.jp/document/reference/fieldmodule/): カスタムフィールドの作成と管理方法。
- [タッチモジュール](https://developer.a-blogcms.jp/document/reference/touchmodule/): ページ表示条件に応じたモジュールの表示制御方法。
- [グローバル変数](https://developer.a-blogcms.jp/document/reference/globalvars/): テンプレート内で使用可能な変数の一覧と説明。
....

このように記述しておけば、AI が a-blog cms のリファレンスを優先的に参照するようになり、エンジニアの質問に対して正確な情報を提供しやすくなるのではないでしょうか。

2. AI 経由の流入増加( LLMO対策 )

SEO と同様に、AI による情報取得の最適化(LLMO, LLM Optimization)も重要です。AI を活用するユーザーが増えれば、LLMs.txt の有無が 企業サイトの情報がAIに取り上げられるかどうか を左右する可能性があります。

特に、CMS の公式サイトでは以下のメリットが考えられます。

  • AI が公式情報を優先的に学習するため、誤情報の拡散を防げる
  • 技術ドキュメントを正しく理解させることで、ユーザーの自己解決率を向上できる
  • AI の回答経由で CMS に興味を持つ新規ユーザーを獲得できる

今後、LLMs.txt を導入していないサイトは、AI の回答において不利な立場になる可能性も考えられます。

3. CMS に LLMs.txt 生成機能を組み込む

CMS の管理画面上で、簡単にLLMs.txtを生成できる機能 を提供するのも有効です。たとえば、以下のような機能を追加すると、サイト運営者が手軽にAI最適化を行えるようになります。

  • AI 向けにページの概要を自動生成するオプション
  • 重要なリンク(ドキュメント・FAQ)を自動抽出する機能
  • Markdown 形式でのエクスポート機能

これにより、CMS を使うユーザーが AI対応をスムーズに行えるようになり、他の CMS との差別化要因にもなる でしょう。

a-blog cms の実装では LLMs.txt ファイルに Blog_ChildListCategory_EntryList の組み合わせで入れ子で用意し、出力するコンテンツを チェックボックスのカスタムフィールドなどで指定 することで実装は難しくはないことは、a-blog cms を利用している人であれば分かるとは思います。

しかし、Google サーチコンソール のようなものが AI サービス側になく、LLMs.txt が有効に働いているかも検証ができないという問題もあり、今後の LLMO についても調べていく必要があると考えています。

まとめ : CMS を開発している会社としては、取り入れていかないといけない

LLMs.txt は、生成AI 時代における新たなウェブ標準として、今後普及していくことが予想されます。特に、開発者向けの情報を提供する CMS企業にとっては、公式ドキュメントを AI に適切に認識させるための重要なツールです。

また、SEO に代わる LLMOLLM Optimization)の概念も重要視されつつあり、AI 経由の流入を増やすための施策としても LLMs.txt は有効です。

CMS を開発している企業としては、この流れを無視することはできません。a-blog cms の開発を行う弊社としても、今後 LLMs.txt を取り入れ、CMS の機能としても検討する価値がある と考えています。

AI 時代に対応した CMS のあり方を模索し、より多くのユーザーに価値ある情報を届けるために、LLMs.txt の活用を進めていく必要がある でしょう。LLMs.txt について情報があれば、教えてもらえると助かります。

最後に感想を

これまでは、外部と連携する際に XML 形式で「この項目の値はコレ」という形でデータを整形して渡す必要があったが、相手が AI になると、 Markdown で適当にわかりやすく記述しておくだけで問題ないという点が興味深い。

現在のクローラーは JavaScript を実行してコンテンツを取得しているが、これはページ情報の取得にかかるコストが大きいのではないだろうか。今回のような「LLMs.txt」のような軽量なテキストファイルがあると便利だと感じる。また、 SEO や LLMO を考慮するのであれば、サーバーサイドで HTML を生成したほうがよい、という方向性に統一すれば良いのではないかとも考えた。

参考








関連記事

この記事のハッシュタグ から関連する記事を表示しています。

SEOのセミナーに参加してみました

IT活用セミナー「自分でできる簡単確実SEO施策」を開催

Googleの新検索エンジン“ Caffeine”へ

名古屋ではたらく社長のブログ

link rel="canonical"によるURL正規化タグについて

FlashのSEO対策